内海慶一のブログ
by pictist
カテゴリ
全体
ピクトさん
執筆
イベント
レビュー
あれこれ
ぬかコラム
profile
最新の記事
鉄管スロープのサイトをつくり..
at 2017-08-21 21:41
私たちは「都市鑑賞者」だと思う
at 2017-08-04 04:38
ピクトさんTシャツ2017
at 2017-07-11 13:01
滝本晃司ライブ in 岡山 ..
at 2017-06-15 23:38
鳥渡6周年企画展「塀をこえて」
at 2017-06-02 02:00
滝本晃司ライブ in 岡山 ..
at 2017-05-24 00:36
野上鮮魚店さん、おつかれさま..
at 2017-05-04 23:50
以前の記事
2017年 08月
2017年 07月
2017年 06月
2017年 05月
2017年 04月
more...
twitter
Webサイト
日本ピクトさん学会
100均フリーダム
装テン souten : japanese awnings
ペッ景 PET bottle scape

【ピクトさんグッズ取扱店】
・広島市現代美術館
・ふくやま美術館
・岡山県立美術館
・喜久屋書店 イオンモール倉敷店
・スタンダードブックストア茶屋町

作成者:内海慶一
Author:UTSUMI Keiichi
picto@mx35.tiki.ne.jp
ライフログ


カテゴリ:あれこれ( 27 )
鉄管スロープのサイトをつくりました
「鉄管スロープ」のサイトをつくりました。
https://pipeslope.jimdo.com

サイト内に書いた解説をこちらにも転載しておきます。

f0135351_21483451.jpg

2016年6月、岡山市で『街角図鑑』出版記念スライドトークLIVEを開催した。イベント前に東京からお招きした出演者のみなさんと街歩きをした際、それは「発見」された。
「こういうの、岡山にはよくあるんですか?」
と東京メンバーが指差したのは、鉄パイプでつくられた段差スロープ。駐車場や車庫など、車が出入りする場所に設置されているものだ。岡山在住の私には見慣れたものだった。
「ありますけど…え? 東京にはないんですか!?」
驚いた。どこにでもあると思っていたものが、そうではないと知ったときの愉快な衝撃。

実家のある広島県福山市(岡山県との県境に接している)でもよく目にしていたはずだ。では、この鉄管スロープ(と呼ぶことにした)はどこからどこまでのエリアに存在しているのだろうか。
さっそくツイッターで目撃情報を募った。グーグルストリートビューもチェックした。その結果、どうやら鉄管スロープは岡山県内と広島県内にのみ存在しているらしいことが分かった。一部、三重県桑名市や愛知県名古屋市などからも目撃情報が寄せられたが、ほんの数例であり、例外的な事例らしい。興味深いことに、岡山・広島に隣接している県(島根、鳥取、山口、兵庫)でもほぼ目撃例がなく(各県の在住者から「見たことがない」という証言が寄せられている)、県境を越えたとたんになくなるようだった。

鉄管スロープがいつごろ誕生したのかは分からないが、少なくとも50年以上は経っているだろう。1972年生まれの私自身、幼いころから目にしていたような気がするし、古びた鉄管の劣化具合からも、20〜30年どころではないだろうと推測できる。
鉄管スロープはどこの街で生まれたのだろうか。岡山か広島か。時間が経ちすぎていて、特定することは難しそうだ。

鉄管スロープは、それぞれの町の鉄工所がつくっているのだろう。取材をしてみたいが、ツテもなく、今のところ調査ができていない。今もときどき新しい鉄管スロープを目にすることがあるので、どこかに製作経験を持つ現役の職人さんがいるはずだ。話を聞けば、少しは鉄管スロープの歴史に触れることができるかもしれない。

鉄管スロープは現場の状況に合わせてつくられている。すべて一点モノで、一基ごとに個性がある。だから見ていて飽きない。たまにハッとするような、創意に富んだ作品もある。
岡山県か広島県を訪れた方は、ぜひ足元を気にしながら街を歩いてみてほしい。


[PR]
by pictist | 2017-08-21 21:41 | あれこれ
私たちは「都市鑑賞者」だと思う
f0135351_04595323.jpg

2017年3月に大山顕さんと「都市鑑賞論」というトークイベントをやりました。このイベントタイトルは最初から決まっていたわけではなく、イベント内容を打ち合わせしているとき、大山さんから「自分たちがやっていることを総括するには、どういう言い方をすればいいのかなあ」という投げかけがあったのです。そこで提案したのが「都市鑑賞」という言葉でした。

この言葉を出したとき、自分の中でスッと何かが楽になったような感覚がありました。考えてみると、自分たちがやっていることを一言で表す言葉が今までなかったなと。気づかないうちに、漠然とした「伝わらないストレス」を感じていたんだなと思ったのです。

街を歩いて、見て、ときには写真を撮る。そういった行為を指す言葉。人によって興味の対象は様々で、細分化されているけど、それらをひっくるめて表現する言葉がなかった。「路上観察」という範疇からははみ出しているし、「まちあるき」だと、ほとんど何も言ってない。

私たちは「都市鑑賞者」だと思うのです。

自分とは違うジャンルを追い求めているけど、でも同じ感覚を共有しているような、好奇心のベクトルが近いような、そんな人たちが大勢いる。「路上観察」「まちあるき」では今ひとつ捉えきれなかった「ある共通するタイプの人たち」が、「都市鑑賞」なら線でつながる。心理的な距離も近くなる。そんな、ちょっとしたうれしさを感じます。

ここで言う「都市」は、人の営みに関わる場所全般として、広義の意味で捉えていきたいと考えています。たとえば人里離れた山奥にあるダムも橋も、都市鑑賞に含んでいきたい。都市のバックヤードも都市の一部として考えたい。

というわけでここ最近、都市鑑賞という言葉を積極的に使い始めてます。

違うけど似ている。似ているけど違う、私たち。タイル、電線、室外機、給水塔、タイポグラフィ、路上園芸、ガソリンスタンド、すべり台、エスカレーター、送水口・・・都市鑑賞趣味をお持ちのみなさま、あらためまして、よろしくお願いします。



[PR]
by pictist | 2017-08-04 04:38 | あれこれ
鳥渡6周年企画展「塀をこえて」

f0135351_156352.jpg

写真家の広瀬勉さんにお誘いいただきまして、高円寺のバー「鳥渡(ちょっと)」6周年企画展「塀を越えて」に参加させていただきました(2017年5月17日〜31日)。

広瀬さんは美学校・赤瀬川原平教室の卒業生で、「透かしブロック」の写真シリーズで知られています。

残念ながら私は訪問することができなかったのですが、総勢25名の方々が「塀」にまつわる写真を一人一枚展示するという企画でした。昨年、「路上観察レジェンドDay」にご登壇いただいた徳山さんや、元たまの知久さんも参加。私は
上掲のペッ景写真を提出しました。

広瀬さん、ありがとうございました。なかなか高円寺を訪れる機会がやって来ないのですが、いつか必ず飲みに行きます。



[PR]
by pictist | 2017-06-02 02:00 | あれこれ
野上鮮魚店さん、おつかれさまでした

f0135351_23205737.jpg

奉還町4丁目商店街(岡山市)の野上鮮魚店(野上商店)さんが閉業されたとの報せが飛び込んできました。まだ現場は見ていないのですが、近くでゲストハウス「とりいくぐる」を営んでいる知人によると、すでに建物の解体が始まっているそうです。上の写真は昨年(2016年)撮影したもの。

昨年、「岡山芸術交流オルタナティブマップ」という冊子3部作を制作しました。これは、街の中にある様々なものを「作品」として鑑賞してもらおう、というコンセプトでつくった街歩きマップです。
http://pictist.exblog.jp/26762645/

f0135351_2321975.jpg

私を含めて3名で手分けして作品の推薦・取材をおこなったのですが、私が担当した案件の一つが、野上商店さんでした。掲載した「作品」は、黒い人造石でできた商品陳列台。貝殻の破片が散りばめられているのが粋でした。

f0135351_2321345.jpg

f0135351_23202062.jpg

f0135351_2321061.jpg
昔は魚を陳列台にじかに並べていたそうです。

取材をお願いすると、ご主人は快く昔のお話をしてくださいました。お店をやめるというようなことはまったくおっしゃっていなかったのですが、ほんの数ヶ月前のことなので、きっともう心に決めておられたのでしょうね。

半世紀以上続いてきたお店と、名も知れない誰かがつくったこの「作品」を最後に紹介することができてよかったです。有為転変は世の習い。仕方のないこととはいえ、長く続いたお店がなくなるのは、やっぱりちょっと寂しいです。

「岡山芸術交流オルタナティブマップ」に執筆した紹介文を、ここに転載しておきます。野上商店さん、長い間おつかれさまでした。


Display Table of Nogami Shouten
野上商店の陳列台

戦前から鮮魚店を営んでいた野上商店は、昭和35年頃に現在の場所へ移転。当時建てた店舗を今もそのまま使い続けている。目を引くのが、商品を並べるための陳列台。黒い人造石でできており、その中に貝殻の破片が散りばめられているのだ。水に濡れた貝殻が光を受け、半世紀前と変わらない輝きを放っている。



f0135351_2321650.jpg



[PR]
by pictist | 2017-05-04 23:50 | あれこれ
「三人俳句 よる更けて」の遊び方


「三人俳句 よる更けて」、通称「よるふけ」の遊び方を説明します。

これは昔の人が「天狗俳諧」と呼んでいた遊びのTwitter版です。やり方は簡単。俳句の上五・中七・下五の各パートを3人が「せーの」で同時にツイートします。そうすると、思いも寄らない言葉の組み合わせが生まれるわけです。

たとえば、2013年の夏にやったときはこんな句が生まれました。





「史上初 首から下が たまごやき」

こんな言葉が偶然できあがるというのが面白いですよね。それから、この句はどういう意味なんだろう?なにを表現したものなんだろう?とみんなで解釈していくのがまた楽しいんです。

「よる更けて」は鑑賞者がつくる作品です。「作者の意図」なんて存在しません。読む側が意味を付与することによって初めて俳句に血が通う。そして、鑑賞者の数だけ解釈の種類があっていいんです。

自分がうまく解釈できなかった俳句に、他の誰かが見事な解釈を与えるのを見たときは感動します。同じ言葉を見て、思い浮かべることは人によってこんなにも違うのか!とびっくり。

ハッシュタグは#yorufuketeです。

こちらは2013年の「俳句の日スペシャル」の様子。
http://togetter.com/li/550820

まず詠み手をやりたい人は進行役にリプライします。進行役はその中から3名選び、各人がどのパートを受け持つかを割り振ってこういうふうにツイートします。

#yorufukete 入ります。上五 @***** 、中七 @***** 、下五 @***** での「よる更けて」。私の指定する時間にそれぞれの担当をポストしてひとつの俳句をつくります。

続いて「0:32!」というふうに時刻をツイート。詠み手は時報などで正確な秒数を確認しながら、その時刻ジャストで自分のパートをツイートしてください。時刻を指定されてからツイートするまでの数分間、けっこうドキドキしますよ。

詠み手として参加できる人の数はどうしても限られますが、先ほど書いたように、この遊びは鑑賞者が主役です。ぜひ「マイ解釈」をツイートしてみてください。





[PR]
by pictist | 2016-12-31 02:40 | あれこれ
2016年の活動記録


〈3月〉
●BNN新社より『100均フリーダム』kindle版リリース(2010年初版・4刷)
f0135351_2321347.jpg


〈4月〉
●日本ピクトさん学会presents
滝本晃司スライドトークイベント
「公園にはすべり台を見にきた」を企画・開催
f0135351_041060.jpg


●『街角図鑑』(三土たつお編、実業之日本社)に「装飾テント」を寄稿
f0135351_23361599.jpg


●RSKラジオ「全員起立」に出演(街鑑賞家として)

●「ピクトさんレインポンチョ」リリース
f0135351_039255.jpg



〈6月〉
●日本ピクトさん学会presents
「街角図鑑」出版記念
スライドトークイベントを企画・開催
f0135351_1562492.jpg


●NHKラジオ第一「すっぴん」で
高橋源一郎さんが『100均フリーダム』を紹介
f0135351_2121824.png


〈8月〉
●ピクトさんTシャツ2016(完全受注生産)をリリース
f0135351_4322524.jpg


〈9月〉
日経MJと日本経済新聞に掲載(ピクトさん研究家として)
f0135351_20162491.jpg


〈10月〉
●日本ピクトさん学会presents
スライドトークイベント
「路上観察レジェンドDay」を企画・開催
f0135351_3544564.jpg


●NHK「おはよう日本」に写真出演(ピクトさん研究家として)


〈11月〉
「芸術交流2016 オルタナティブマップ」企画・取材・執筆・撮影
http://pictist.exblog.jp/26762645/
f0135351_0333983.jpg


〈12月〉
●スライドトークイベント
「中塚浩が遺した昭和の写真〜戦前・戦後の東京の日常〜」に出演



[PR]
by pictist | 2016-12-24 06:08 | あれこれ
岡山の知られざる地下道

岡山駅からそれほど離れていない場所に、こんな地下道があることを最近知りました。

f0135351_121498.jpg

自転車がやっとすれ違えるほどの狭い道。しかも薄暗くて、ちょっとRPG感ある。20年近く岡山市街地に住んでるんですが、今までこんな道があることを知りませんでした。何人かの知人にも聞いてみたけど、みんな初めて知ったとのこと。

実際にこの地下道を利用する住民の方だけが知っている道なのでしょう。

名前は「二十四ヶ坪地下道」。「坪」というのは古代〜中世の土地区画の単位なんだそうです。区分けされた土地の24番目のエリアということなのかな。

場所はここ、岡山駅の西南西。南北にJR線をくぐっています。
Googleマップ|二十四ヶ坪地下道

私はかつてこの入口の前の道を自転車で通ったことがあるんですが、完全に見逃してました。だってこんななんですよ。

f0135351_121183.jpg

この写真は上記マップのピンの位置に立って北を向いた状態です。写真の下にちょっと見えてますが、東西方向に用水路が流れています。で、用水路の向こうが低くなっている。

用水路の向こう側に行くと……

f0135351_1205724.jpg

東側から坂道を降りてきて、西を向いている状態です。右に曲がると、先ほどの細い道が続いてます。

f0135351_1205414.jpg

こう。

f0135351_121498.jpg

そしてこう。

地下道を抜けて北側に出て、振り返った風景がこちら。
f0135351_1205217.jpg


ここから車道に出るまでさらに何十メートルかあるので、知らない人が多いのも頷けます。こういうスポットは日常の中のちょっとしたアトラクションみたいな感じで、面白いですね。




[PR]
by pictist | 2016-11-24 00:11 | あれこれ
NHKラジオで『100均フリーダム』


高橋源一郎さんがラジオで『100均フリーダム』を紹介してくださいました。NHKラジオ第1「すっぴん!」内の「源ちゃんのゲンダイ国語」というコーナーです。(2016年6月17日放送)

f0135351_2121824.png

ポッドキャストの配信、または下記リンクからアーカイブを聴くことができます。

http://www.nhk.or.jp/suppin/podcast/kokugo_20160617.mp3

高橋さんの「お金なんておもちゃじゃないか、と(フリーダムグッズを見て)覚醒する瞬間がある」という言葉が印象的でした。つまり、子供がお買い物ごっこでおもちゃのお金を使うけど、よく考えたら本物のお金も同じことなんじゃないかっていう。「これお金っていうことね」という約束で成り立っているだけで。フリーダムグッズは、(有用性の否定によって)そのことを暴露してるんじゃないか、と。

・・・っていう解釈で合ってますでしょうか?



[PR]
by pictist | 2016-06-23 22:05 | あれこれ
2015年の活動記録


〈2~3月 〉
●紀伊國屋書店さいたま新都心店で「ピクトさんフェア」開催

f0135351_2233020.jpg


〈5月〉
●ペッ景(ペットボトルのある風景)のサイト「PET bottle scape」を公開
PET bottle scape

f0135351_17174613.jpg


●ふくやま美術館(広島県福山市)でピクトさんグッズの取扱いがスタート

f0135351_12103577.jpg


●ベイエフエム「The BAY☆LINE」に電話出演

〈6月〉
ピクトさん手ぬぐい新色「みかん」リリース
http://mon.cifaka.jp/?pid=77024800

f0135351_19293696.jpg





[PR]
by pictist | 2015-12-23 19:30 | あれこれ
猫よけペットボトルの起源
f0135351_465040.jpg

ペッ景(ペットボトルのある風景)を撮り続けている私ですが、起源を調べたりするのは自分の役割ではないと思っているので今まで積極的に検索したことはなかったんです。

でもやっぱり気になって調べてみました。日本語で調べても出所不明の話がヒットするばかりで、あまり手がかりは見つかりませんでした。

それで英語であれこれ検索して、やっと判明。おそらくこの人が発祥です。ニュージーランドのガーデナー、Eion Scarrow 氏。
Wikipedia:Eion Scarrow

Eion Scarrow 氏は「ガーデニング・グル」と言われるほどの有名人だったそうです。多数の著書があり、テレビ・ラジオで番組も持っていたと。

こちらは彼の訃報記事(2013年)。
Gardening guru Eion Scarrow passes away

この記事の中にこんなくだりがあります。
he once declared that by placing plastic bottles filled with water on the lawn,dogs would be deterred from going about their business.His loyal followers were soon following his advice - completely unaware of his April Fool's joke.

つまり「ガーデニングの神」的な存在だったEion Scarrow 氏が、「水を入れたペットボトルを芝生に置いておくと犬が近寄ってこないよ」って言ったんですね。

エイプリルフールに。

最初は犬よけだったとは。日本でも猫よけだけでなく犬よけとして置かれているもの(例えば電柱の根元など)がありますが、そっちのほうがオリジン寄りだったわけですね。

では、彼はそれをいつどういう状況で言ったのか。こちらの記事によると、1989年にラジオ番組で言ったのだと書かれてます。そして2009年にテレビ(TVNZ)でその顛末を語ったらしい。
stuff.co.nz:Nelson mail
(※この記述「1989年」は誤りで、実際は1989年以前のエイプリルフールだったと推測できます。下記の「追記2」を参照ください)

「なぜ自分がそんなことを思いついたのか分からないんだ」みたいなこと言ってますね。

うん。ペットボトルに言わされたんだと思うよ…

この話、オーソン・ウェルズの火星人襲来よりすごくないですか。



追記:こんな記事もありました。TVNZ(テレビジョン・ニュージーランド)のサイトです。2009年に放送した番組の概要文のようです。
Companies buy into April Fools' pranks

「最近は企業が広告のためにやってるエイプリルフールのジョークが多いよね」というような内容みたい。動画リンクもあるけど残念ながら消えてますね。書かれている内容から推測すると、映像ではScarrow氏が取材に答えていたのではないでしょうか。見たかった。

上記で紹介した、2009年に顛末を語った出演番組(2010年の記事内でlast yearと書かれている)というのはこれでしょうね。

最後のほうにScarrow氏の発言が引用されています。
Scarrow says the secret to a good prank is to get a good laugh out of it and ensure no-one gets hurt.

「良いいたずらは良い笑いをもたらし、そして誰も傷つけない」くらいの意味でしょうか。

そう、猫も傷つけないもんね。

※追記の追記:動画見つけました!
Scarrowさんがペットボトル置いてる(笑)
Companies buy into April Fools' pranks
f0135351_14976.jpg



追記2:さらに追記です。図書館でこんな本を借りてきました。

『くそっ!なんてこった―「エイズの世界へようこそ」はアメリカから来た都市伝説』(ジャン・ハロルド・ブルンヴァン、新宿書房、1992年)

原題:『Curses! Broiled Again! The Hottest Urban Legends Going』 (Jan Harold Brunvand,W. W. Norton & Company,1989)

80年代に、ちょっとした都市伝説ブームがありました。『消えるヒッチハイカー』という書名に見覚えのある方もいるのではないかと思います。上記の本はその『消えるヒッチハイカー』に続いて刊行された都市伝説シリーズの第4弾です。

著者のブルンヴァンはアメリカの民俗学者で、「都市伝説(Urban Legend)」という概念は彼の著作によって一般の人々に知られるようになったと言われています。ちなみに「都市伝説」という日本語は、ブルンヴァンの著作が翻訳される際、Urban Legendの訳語としてつくられた造語です。

さて、その都市伝説シリーズ第4弾である『くそっ!なんてこった』の中に、「ニュージーランド(やそのほかの国)の芝生の手入れ」と題された章があります。以下に重要な箇所を抜粋します。

これはブルンヴァンが、1988年にニュージーランドを訪れた際の話です。

ニュージーランドでどこへ行っても、きちんと手入れされた芝生のあちこちに、水の入った瓶が置かれているのが目についた。このことに関してわたしが質問した人はだれもが、それは芝生の上で犬が糞をするのを防ぐ確実な方法だと、誰かに聞いたのだとわたしに語った。
瓶はおなじみの、一・二五リットル入りの清涼飲料水のプラスティック容器であった。時には、紙のラベルを貼られたままのものもあったが、きれいな瓶だけが用いられるようであった。
わたしは、わたしが訪れたほとんど全てのニュージーランドの町で、水の入った瓶を見た。芝生の手入れは全国的な熱狂のように思われた。

ブルンヴァンは新聞でこの都市伝説コラムを連載していました。本書にはコラム掲載後の反響も紹介されているのですが、「自分も似たものを見たことがある」という声は4件だけだったそうです。全米35紙の新聞に共同配信されているにも関わらず。

その4件は「香辛料や香水を入れた瓶を庭に置いて犬よけにしている人がいる」という内容でした。

犬の嗅覚が鋭いという知識から発想したものなのでしょう。水とはちょっと文脈が違いますよね。いずれにしてもコラムが連載された当時(1988年頃)には、アメリカでは水による猫・犬よけペットボトル文化はなかったようです。これもニュージーランド発祥であることを補強する情報だと思います。

ただ、一つだけ辻褄の合わない点があります。それは、これが「1988年」のできごとであるということ。

前掲サイトの記述では、Eion Scarrow 氏がラジオでエイプリルフール・ジョークを言ったのは1989年のことだと書かれていました。

ブルンヴァンは本書のまえがきで自分がニュージーランドを訪れたのは1988年の1月から5月のことであると明記しているので(滞在中も現地でコラムを執筆していたらしい)、ニュージーランドを訪れた年が間違っているということは、まずないと思います(本書の刊行が1989年)。

ですから、おそらく前掲サイトの記述(1989年)のほうが間違いなのだと思います。Eion Scarrow 氏がラジオでエイプリルフール・ジョークを言ったのは、実際は1987年か、それ以前の年だったのでしょう。

本章は以下のような言葉で締めくくられています。

ニュージーランドから戻って以来、わたしはソルトレイク・シティをあちこち歩き回ってきたが、当地でこの特別な形の芝の手入れが行われているのをまだ見たことがない。だがわたしは、この事柄に関してわたしが見出したことが、これらのほんのわずかなことだけでは終わらないと思っている。


まさにこの予言通りになりましたね。



追記3:細かい情報ですが、またまた追記です。Eion Scarrow 氏 がエイプリルフール・ジョークを言ったラジオ局は1ZB(現在のNewstalk ZB)だということが分かりました。この雑誌の14〜15ページ。2012年なので、亡くなる前年の記事ですね。



追記4(2016年4月1日)
またまた追記です。今日はエイプリルフールなので、ふと思い立って補足を綴ることにしました。まず、上記をあらためて要約してみましょう。

ニュージーランドの有名ガーデナー、イーオン・スカロウ氏が、1987年(かそれ以前)のエイプリルフールに、ラジオ番組で「水を入れたペットボトルを芝生に置いておくと犬が近寄ってこないよ」と発言した。それはまたたく間にニュージーランド中に広まった。

さて、この後どうなったのでしょうか。

この犬よけメソッドはオーストラリアにも伝播したようです。こちらはオーストラリアのガーデニング番組『Burke's Backyard』(1987〜2004)のワンシーン。ホストのDon Burke氏が、「これは迷信なんですよ」と視聴者に語っています。つまり、オーストラリアにもそれだけ「ペットボトル置き」が広まっていたということでしょう。
Burke's Backyard, Old Husband's Tales - Water Bottles to Stop Dogs Pooing on Lawn

残念ながらこのシーンの放映年は不明ですが、Don Burke氏の容貌から推測すると、番組初期ということはないと思います。

さらに他の国々にも、この「ペットボトル置き」は伝播しています。驚くことに、地中海の「マルタ島」にまで伝わっていることがこちらの記事で報告されています。カナダ人の方が2007年に書いたブログです。
Why Are There Random Water Bottles On the Sidewalk?

興味深いのは、この記事に付けられた世界各国の方からのコメント。ざっとまとめると以下のような情報が得られます。

・アイルランド
・オーストラリア
・アルゼンチン
・タイ
・アメリカ(カリフォルニア州サンディアゴ)

以上の国々では、犬よけとして同じことが行われていると。そしてマルタ島では犬よけではなく「猫よけ」として置かれてるんですよ、という地元の方からのコメントがあります。みなさんご存じのように、日本でも「猫よけ」として広まっていますよね。

日本とマルタ島でだけ「猫よけ」として広まったのは、おそらく環境のせいでしょう。マルタ島は猫が多いことで有名なのだそうです。
猫好きの聖地、70万匹が暮らす 地中海の島国・マルタ共和国



以前、Esteban Zapataさんというコロンビアのビジュアル・アーティストからメールをもらったことがあります。彼によれば、上記の国の他にもコロンビア、メキシコ、スペイン、イタリアでも同じ習慣があるとのこと。猫よけか犬よけかは書かれていませんでしたが、やはり世界各国に広まったことは間違いないようです。



追記:私は「猫よけペットボトルに効果があるかどうか」についてはあまり興味がありません。ペットボトルを並べる人がいて、そこには独特の景が生まれている。その現象に興味を持ち(鑑賞する自己の内的な現象も含む)、見つめ続けています。



[PR]
by pictist | 2015-11-10 03:39 | あれこれ