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『勉強できる子 卑屈化社会』
2012年に岡山で、2014年に東京で一緒にスライドトークイベントをやった前川ヤスタカさんが新著を上梓されました。 『勉強できる子 卑屈化社会』 日本では勉強のできる子がなぜか「うしろめたさ」を感じてしまう。なぜかみんな、勉強ができる人をストレートに褒めない。本書はそんな風潮が生み出された背景を考察し、解決策を提言する本です。 タイトルの「社会」という語が示すように、これは一種の日本社会論です。日本人の多くが漠然と思っていることを指摘し、「なぜそう思うようになったのか」を論理的に解析しています。社会心理学の書とも言えますし、また、メディア論・テレビ論にもなっています。 とはいえ、決して堅苦しい本ではありません。著者の体験を踏まえた「あるある話」や、具体的な事例をベースに話が進むので、分かりやすくて読みやすい。あいだに入る能町みね子さんのイラスト漫画もいちいち面白いです(特に165ページの三角関数のやつ、爆笑しました)。 「勉強できる子・できた子」は共感しまくりの内容だと思いますが(現役世代へのアドバイスもあります)、そうじゃない人(私です)にとってもたいへん読み応えのあるものになっています。この社会に満ちている目に見えない「空気」を、本書は実にうまく捕獲しています。 「勉強もスポーツも平等に称えようよ」という、シンプルだけど今まで誰もちゃんと言わなかったことを真正面から唱えた本書。とても意義のある第一歩だと思います。いつか未来の人が『勉強できる子 卑屈化社会』を図書館で見つけて、「昔の日本社会ってこんなだったの!?」って驚いてたら、いいなあ。 『勉強できる子 卑屈化社会』 著者:前川ヤスタカ 出版社:宝島社 価格:1200円(税別) ページ数:246P ISBN:978-4-8002-5943-1 発売日:2016年12月10日
by pictist
| 2017-01-04 09:32
| レビュー
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